自動組版

最近の大型案件は自動組版を前提にしたデータが増えてきました。
翻訳後のレイアウト処理もそららの自動組版フロー後の調整作業をするのみ、といった具合になり、日々の進歩を感じます。
しかしながら、開発の技術はどんどん進化しているにもかかわらず大変残念なデータになっていることが多々あります。
XMLの知識を持っていらっしゃる方とInDesignにおける緻密な設計をできる方は、やはり別々であり、その連携が全くなされていないように思われます。
残念な元データを使っていくらXMLを駆使しても、結局手動で修正を加える負担がかえって増えてしまいます。まして自動組版はどうしても1ファイルのページ単位が少ないので、何百にもおよぶファイルに毎回同じ修正を加えねばなりません。
自動組版により作業効率を図られる場合は、InDesign等の元データの設計をそもそも見直される必要があるように思います。
もう少し双方が歩み寄り連携できると皆が楽になるのではないでしょうか。
Cafevoiceとしましては、そのあたりの橋渡しを今後していきたいと思っています。

InDesign 左右がガタガタ

海外で作成されたInDesginのデータを日本語にする案件。
日本語テキストを入れるとテキストの左右がなぜかガタガタして揃わない、という現象に何度か遭遇しました。
文字組や段落コンポーザなどの問題でもなく、うまく解決できなかったので、これまでは、とりあえず新規ドキュメントでボックスなどを新規で作成し直すなどで、対処していました。
ようやく今回、原因が判明、「基本テキストフレーム」の横に小さな+マークを発見しました!
どうやら「基本テキストフレーム」をカスタマイズして何らかの調整を海外で加えているようでした(その詳しい設定まではまだわからず)。
従って、デフォルトの「基本テキストフレーム」に戻せば、万事解決。

XMLの基礎知識

翻訳業界でもXMLデータを翻訳する、ということは珍しくはありません。
とはいえ、XMLがそもそもどんなデータかを理解している方は少数です。
確かに知識がなくても翻訳できますが、どうしてXMLでデータを保管するのか、どんな形で利用するのかを知れば、よりよい翻訳の手がかりとなります。
また、お客様に対しても、ただ翻訳作業をこなすだけでなく、問題解決や提案をすることができるでしょう。

中級コースの「XMLの基礎知識」では、XMLの簡単な構造を知るとともに、近年XML形式が望まれるようになってきた背景と今後の動向について、学んでいきます。翻訳手配時にまつわるトピックなども交えていきますので、「XMLの案件はなんとなく翻訳して終わり」という方も、ぜひこの機会にご参加ください。

DTPソフトの特長(実践編)InDesign & Illustrator

基礎コースでは、InDesignやIllustratorで入稿する際に注意すべき点や、案件開始時に確認しておくべきこと、また多言語展開のために一手間惜しまず作業することが、結果的に最も近道になるといったノウハウをお伝えしました。

中級コースの実践編では、FrameMaker同様、各自でいくつかのドキュメントを作成していただきます。
とりわけIllsutratorは、PDFやPowerPointから図を抽出するといった、ローカライズ業界特有のよくあるケースも取り入れていますので、見積もりを作成する立場の方にも、役に立つ内容です。

InDesignではちょっとしたインタラクティブなPDFを作る手法も取り入れ、InDesignからWebやタブレット用への展開など昨今のニーズに応えるようなワークを用意しています。

少人数制ですので、全くの初心者でもフォローいたします。ご安心ください。

DTPソフトの特長(実践編)FrameMaker

基礎コースではFrameMakerの案件を取り扱う際にプロジェクトマネージャーやコーディネーターの立場で、どんなことに注意するべきか、よくあるトラブルなどの事例を紹介するとともに、InDesignとの違いについても講義しました。

中級コースの実践編では、実際にひとりずつFrameMakerを使用していただき、いくつかのドキュメントを作成していただきます。
プロジェクトマネージャーやコーディネーターの方は、今度も実際にオペレーションをする機会はほとんどないと思いますが、やはり少しでもソフトに触れて、なるほど、こういったことができるんだ、と実感するのは大切なことです。
またソフトの持っている長所や短所を知ることで、翻訳手配やその後の工程も何かしら改善できることが見つかるかもしれません。
FrameMakerは数年前はInDesignにとって替わられるのでは?という時期がありましたが、XMLなどを使用したワンソース・マルチユースの昨今の流れを受け、再び注目されています。
InDesignしか経験がない、という方も、この機会にぜひ体験ください。

※5月31日時点で残席2名となりました。ご興味がありましたら、お早めにお申し込みください。

PDF上の罫線の太さ

InDesignやIllustrator上では同サイズの罫線が、PDFで見ると一部だけ太くなって見えることがあります。
PDFの表示拡大率を上げれば、同サイズであることは確認できるのですが、気になる方が多く、問い合わせが多いので、表示方法をメモしておきます。

Acrobatの環境設定[ページ表示]→[レンダリング]→[細い線を拡張]をオフにする。

デフォルトではオンになっていますので、一般のユーザーの方には太く見えてしまうことは否めません。
ただ気になるお客様にはこのことをお伝えすると、安心していただけるかと。

シカゴ・マニュアル

私が20年近く前に在席していた会社では『シカゴ・マニュアル』をみんなで訳すという時間が研修の一貫として設けられていました。

今でもその姿勢が私の原点であり、感謝の念がこみあげますが、当時は誰か翻訳本を出版してくれないものか、とうらめしくも思ったものです。
そして、昨年11月ようやく待望の本が出版されました。
『シカゴ・スタイル 研究論文執筆マニュアル』慶應義塾大学出版会

ありがとうございます。

FrameMaker エラー

FrameMakerのmifデータをTradosでttxに変換しようとすると
下記のようなメッセージが出ることがあります。

Conversion Error 60. Change Bars are turned on in the Character Format “ChangeBar”.

よくあるトラブルのひとつではありますが、改訂バーが使用されているデータに
出くわす可能性も年に数回あるかないかなので、備忘録として記録。
つまり改訂バーが設定されていることが原因なので、
改訂バーを消去してmifに変換する必要があります。
一目で改訂バーが見られる状態であれば、すぐに気づけますが、
改訂バーの色が「白」になっていることが多く、データを眺めただけでは
わからないのが、この問題のポイントとも言えます。

中国語表記メモ

言語によって表記のルールは多々ありますが、
中国語はなんとなく日本人でも理解しやすいがゆえに誤解される部分もあります。
例えば中国語の句読点「,」は日本語の「、」に該当し、息継ぎの役割をしていますが、
中国語の「、」は&の意味になりますので、並列して単語を並べたい時に使用します。
たまに「どちらかに統一してください」という指摘をいただくのですが、
この2つは別物なのです。
引用符は英語などと同様に“”を使用しますので、日本語の「 」は使用しません。
また「○○○・●●●」といった具合に中黒を使用することもあまりないようで、
「○○○、●●●」あるいは「○○○及●●●」と「及」を使用することが多いようです。
ちなみに繁体字の場合「。」「,」「、」の位置は日本語のようにベースライン揃えではなく
真ん中につきます。

これもたまに「間違っているのでは?」という質問をいただきます。
お客様のご希望ですべてベースラインに揃えることもありますが、
基本的に真ん中で問題ありません。

また日本語で名前を表す際に姓と名の間にスペースを入れることがありますが、
中国語ではスペースを入れる習慣はないようです。